前頁の通り、「物件の受託にまで至らない事が多いように感じます」と言いながらも、受託率どのサイトも10%を超えています。
不動産一括査定サイトはご存知の通り反響課金制度を採用していると事が多く、1反響辺りだいたい13,000円程度の課金がなされますので、受託率10%という事は、1件の媒介獲得単価は13万円程度という事になります。
この13万円の予算を仮に新聞折り込み広告に投下したとすると、折り込みチラシ1部の費用が5円として、26,000部の折込広告を実施する事が可能です。では、売り求む新聞折り込みチラシ26,000部でコンスタントに1件の媒介が獲得出来ると思いますか。出来ないですよね。
つまり、コストパフォーマンスの観点から見れば、不動産一括査定サイトは他の不動産売り依頼獲得手法と比べても、活用するに足る手法である事がご理解頂けると思います。
確かに、現場で活躍中の営業マンが感じておられるように、不動産一括査定サイトからの反響は、他の売り依頼獲得手法の反響に比べて、不動産所有者様と直接コンタクトが取れないケースが多いでしょう。
不動産売却ポータルサイトは通常、不動産所有者様が複数の不動産会社に価格査定を依頼出来るシステムになっており、反響があった時点で他社との競合が発生します。つまり、反響があった時点では、あなたの会社は「その他大勢の1社」に過ぎない訳です。
その他大勢の中から勝ち抜いて媒介を受託するには、営業努力も営業センスも必要です。その努力を怠って「不動産一括査定サイトって確かに反響は鳴るのですが、不動産所有者様と会えるケースが少なく、物件の受託にまで至らない事が多いように感じます。」等と言うべきではないと思いますが、あなたはどう思われますか。
ここまでは、不動産一括査定サイトの良いところばかりご紹介してきましたが、次は少し困ったところもご紹介致します。
不動産一括査定サイトからお問い合わせ下さった不動産所有者様へ、営業マンが電話をかけると、たまに「不動産会社に問い合わせた覚えはない」とお怒りになる方がいらっしゃいます。何故、このような事が起こるのでしょうか。
実は、不動産一括査定サイトの中には、ネット上で簡単に価格が分かるかのような説明を行っており、不動産会社から直接電話が来るなんて思わずに利用される不動産所有者様が少なからずいらっしゃいます。
あなたも一度、不動産一括査定サイトの入力欄をご覧下されば、不動産所有者様が誤認されるのも無理はないと納得されると思います。
しかし、上記のような困った点があるからと言って、不動産一括査定サイトを利用しない理由にはなりません。玉石混交の状態ではあるものの、売り依頼反響が1件13,000円程度で得られるツールは活用すべきです。
私のクライアントへは、出来るだけ多くの不動産一括査定サイトを利用し、約半年から一年後に受託率の低いポータルサイトを解約するように勧めています。つまり、玉石混交の「玉」が多い不動産一括査定サイトのみを活用し、「石」が多い不動産一括査定サイトを切る事により、1件当たりの媒介受託単価を下げる事が出来ます。
不動産一括査定サイトも上手く活用する事により、安価に媒介を得られる事を知って下さい。