不動産受託(仕入れ)時の営業トーク解説|売主交渉における注意点
あなたの営業トーク、間違っていませんか?
基本的な不動産受託(仕入れ)時の営業トークを身につけ、受託を増やす方法をお伝えします。
この記事では、不動産受託(仕入)時の営業トークを解説し、売主との交渉における注意点をお伝え致します。
一括査定サイトが一般化したこと等により、不動産業界では以前に比べて「査定依頼」を受け易くなりました。しかし、せっかく売主様にアポイントを頂戴し、交渉のテーブルについて頂いたにも関わらず、不動産受託(仕入れ)時の営業トークが拙い為、案件を取り逃がすケースも見られます。
この記事は「不動産受託(仕入れ)時の営業トーク」に悩んでおられる営業マンや、そのような営業マンを抱える営業責任者様に向けてヒントとなるよう構成しております。
読み終わって頂くまで約5分ほどかかりますが、どうぞ最後までお読み頂き、貴社の媒介受託率(若しくは買取件数)の向上にお役立てください。
又、売却相談や査定依頼自体が少ない場合は、仕入に関する記事も別ページでご用意しておりますので、本文を読み終わられた後に、下記記事もご覧ください。
全39時限|不動産仕入れ(媒介受託・買取)集中講座|梶本のコンサル
それでは先ず、「こんな不動産受託(仕入れ)時の営業トークでは、仕入れは難しい」と思われる営業トークの例文を下記の通りお示し致しますので、肩の力を抜いて「あぁ、こんな営業マンいるなぁ」と思いながら読み進めて下さい。
では、スタート致します。
【駄目な不動産受託(仕入れ)時の営業トーク例(解説付き)】
この度は、査定のご用命有り難うございます。良いお家ですね。僕はこんな純和風の家が大好きなんです。母の実家が純和風つくりの家でして、子供の頃遊びに行くのが楽しみでした。僕も家を建てるなら、こんな感じのお家にしたいと常々思っています。
ありがとう。もう古いけれど丁寧に使った来たからね。知り合いの大工の棟梁に頼んで建てて貰って、材木も良いものを使っているからね。
【point】 この「純和風大好きエピソード」は不要ですね。売主様に迎合しているだけです。私は売主様との会話に「世間話」や「余計な無駄話」は不要だと考えています。もっとプロらしく毅然とした態度で売主様にご提案すべきです。「買いのお客様」なら、ある程度の親近感は必要でしょうけど、「売りのお客様」に対しては「信頼感」を感じて頂く事が重要です。
そうでしょうね。良いものをお使いであることは分かります。本日は、一応、査定書を作成して参りましたのでご覧ください。
ただ、「売却理由は何ですか?」とお聞きして、答えて下さる売主様は殆どいらっしゃいません。個人的な情報をお聞きするからには、ヒヤリングに際しても充分な配慮をして下さい。
いや…申し訳ございません。周辺の成約事例を調査し、路線価や公示価格等も参考にしながら算出した数字でして…。あまり高い価格で売りに出しても、お問い合わせが頂けない可能性もございますので…。
【point】取引事例の説明は売主様が「事例の話を聞きたい」と思われるまで我慢しましょう。いきなり「あの物件が坪○○円で成約」等と説明し出しても、売主様は「価格を下げる根拠をベラベラ喋って、私の不動産を低い価格で売ろうとしている」としか思いません。売主様が「冷静に且つ前向き」に成約事例の説明を聞く体制が整うまで、「事例を説明したい欲求」は胸の中にしまっておきましょう。
お前、もう二度とウチの敷居を跨ぐなよ!
【point】残念でした…。しかし、自業自得ですね。
では、この営業マンのトークは何がいけなかったのか、どうするべきだったのかについて下記にまとめてみます。この記事のタイトルにもある「不動産受託(仕入れ)時の営業トーク解説|売主交渉における注意点」に触れて行きますので、もう少し読み進めて下さい。
【売主様との交渉時における不動産受託(仕入れ)営業トーク解説】
売主様と一口に言っても様々な方がいらっしゃいますし、売却理由によっては営業トークの細部も変わって来ます。しかし、基本となる交渉の進め方がございますので、その基本を押さえた上で独自のエッセンスを加えて下さい。
先ず覚えて頂きたいのは「売主様との交渉時に営業トークなんて不要である」事です。
ん?売主様との交渉時における不動産受託(仕入れ)営業トークを解説せいてくれるんじゃないの?…と思われたかも知れませんが、これから詳しくお話ししますね。
売主様との交渉時に重要な事は「上手く話す事」ではありません。
売主様との交渉時に重要な事は「上手く売却理由を聞き出す」事です。
従って、一般的な意味での営業トークは不要なのです。
では、売却理由を聞き出せば何が良いのか?
売却理由を聞き出す事が出来れば、「売り出し価格で揉める」事が無くなり、売主様のパートナーとしてお話を進める事が可能になります。
例えば上記の売主様では、査定価格2880万円の物件を3500万円で売りに出したいと希望されていました。
そこで営業マンは3100万円の売り出しを提案し、この3100万円って価格を「査定価格」と誤認されてしまいましたよね。つまり、価格の話ばかりしていたことになります。
もし、冒頭で売主様の売却理由をヒヤリング出来ていたら、この交渉はどうなったでしょうか?
売主様の売却理由が「買い替え」であるなら、3500万円で売りに出して売れなければ買い替えは諦めますかと質問できますよね。
売主様の売却理由が「親の介護で田舎へ帰る」であるなら、3500万円で売りに出して売れなければ、それだけ田舎へ帰る時期が遅くなり、親御さんの介護が出来なくなっても良いか質問できますよね。
売主様の理由が「離婚」であるなら、3500万円で売りにだして売れなければ、離婚に伴う様々な清算が難しくなっても良いか質問できますよね。
つまり「売却希望価格」と「売却理由」を天秤にかけ、どちらを優先するかと尋ねる事が可能になるのです。
売却理由によっては「むちゃくちゃ高値で売りに出し、売れればラッキー」って売り方もあるでしょうし、「とにかく売れる価格で販売を開始し、一日でも早い成約を目指す」必要があるかも知れません。場合によっては、仲介では無く買取を勧めるべきかも知れません。
売却理由さえ把握出来ていれば、「細かい価格の話」に引きずり込まれる事無く、もっと根源的な話が可能になるのです。そして、売却理由に基づく提案が出来れば、例え低い価格を提案しても売主様の不興を買う事はないでしょう。
とにかく、売主様との交渉時には「営業トーク」に気を取れらるのではなく、「売却理由のヒヤリング」に全力を注いで下さい。
【売主様との交渉時における、基本的なトークの進め方】
売主様との交渉時には、下記ような流れで話を進められるよう心掛けて下さい。
① 世間話はしない。不動産のプロとして毅然とした態度を維持する。
↓
② 売却理由を尋ねる。しかし「売却理由は何ですか」等と聞いても、多くの売主様は答えてくれないので工夫が必要。
↓
③ 売却希望価格を尋ねる。どんな価格が出て来ても否定しない、又、希望価格を仰らない売主様も多数いらっしゃるので、ヒヤリング方法を工夫する。
↓
④ 売主様の希望価格での売り出しを提案する。
↓
⑤ 売主様が「相場から見るといくらで売れそうか?」等と、価格に関する質問を復数回されてから、必要に応じて査定書を提示。
↓
⑥ 売主様が査定価格に難色を示されても言い訳をしない。プロとしてマーケットの説明を行う。
↓
⑦ 売主様が価格について悩んでおられたら「売却理由」に立ち戻り、「価格」と「理由」のどちらを優先するのか尋ねる。
↓
⑧ 売主様から結論を頂き媒介受託(もしくは買取提案)。売却理由が許すなら高値での受託も可。
上記のような流れを心掛け、社内でもこのような流れで「営業ロープレ」を繰り返して頂ければ、貴社の受託率は格段に向上すると思います。
但し、「希望価格や売却理由」をすんなりと教えて下さる方も少ない為、この点は工夫して下さい。
「売却理由は何ですか?」と尋ねても「住み替え」や「資産処分」なんて答えしか返って来ません。住み替えや資産処分何て当たり前の話ですから、もっともっと深い部分までヒヤリングが出来るよう工夫が必要です。
もしも、その「工夫」が分からない時や、そもそも売却反響・査定依頼が少ない場合は、梶本までご相談下さい。貴社の現状をお聞かせ頂いた上で、貴社にあったヒントをご提示させて頂きます。
ご相談は無料で承っていますので、下記問い合わせフォームからお問い合わせ頂くか、0120-050-175(受付時間10時~18時 土日祝祭日定休)までお電話頂き、コンサルティング本部の梶本を呼び出して下さい。
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